父の緊急入院で気づいたこと|下半身麻痺から見えた自己成長と行動の力

人生には、予期せぬ出来事が突然訪れることがあります。
先日、父が突然立てなくなり、緊急入院するという出来事が私の家族を襲いました。
75歳の父は肺がんの治療中で、抗がん剤を受けていましたが、ある日突然、下半身が動かなくなったのです。
この出来事を通じて、私は多くの気づきを得ました。
父の状況、家族としての対応、そして私が起こした行動が、どのように自己成長に繋がったのか。
この記事では、その全てを詳しくお伝えします。

誰かの励みになればと思い、この経験をシェアします。
突然の危機:父の緊急入院と診断
父は肺がんの治療のため、長期間にわたり抗がん剤治療を受けていました。
母は「抗がん剤さえ打たなければ、父はまだ歩けていたかもしれない」と悔しそうに話していました。
しかし、病院での診断は「脊髄炎」。
首から腰にかけて、脊髄の第四の部分に異常があると判断されました。
この診断を聞いたとき、私はある重要な点に気づきました。
父は20代の頃、飛行機事故を経験していました。
その事故で腰を強く打ち、以来、腰に影響が残っていたと話していたのです。
私は父に尋ねました。「その事故のことを、肺がんの治療を担当している先生に伝えた?」と。
すると、父の答えは驚くべきものでした。
「伝えてない」と。
この瞬間、私は衝撃を受けました。
医師は問診を通じて患者の状態を把握し、適切な治療方針を立てます。
「今日はどこが悪いですか?」
「どこが痛いですか?」
「いつからですか?」
といった質問で、病気の原因や背景を深掘りしていくものです。
父が過去の飛行機事故で腰を痛めていたという情報を伝えていなかったことは、治療の方向性に大きな影響を与えた可能性があります。
伝えなかった情報の重み:コミュニケーションの課題
もし父が「過去に飛行機事故で腰を痛めた」と医師に伝えていたら、状況は変わっていたかもしれません。
医師は「それなら、この抗がん剤はリスクが高いかもしれない。別の薬剤に変更しよう」と判断した可能性があります。
母が言う「抗がん剤さえ打たなければ」という言葉は、確かに一理ありますが、問題の本質はそこだけではないと感じました。
むしろ、父が過去の重要な情報を伝えなかったことが、今回の状況を招いた一因ではないかと考えたのです。
父は昔から話すのが大好きです。49年以上にわたり自営業で喫茶店を営んできた父にとって、お客さんとの会話は日常の一部でした。
長年のルーティンの中で、コミュニケーションは欠かせないものになり、父はおしゃべりが大好きになっていました。
本人は「一人がいい」「静かなところで釣りをするのが好き」と言うものの、喫茶店のカウンター越しのおしゃべりが染み付いているのです。
しかし、父の話には課題がありました。
話の着地点が曖昧だったり、本題に入るまでが長かったりするのです。
決して話が上手いわけではありません。
一方、私は言語化や伝えるコミュニケーションを学んできたため、結論から話したり、要点を箇条書きで整理して伝えることを心がけています。
だからこそ、今回の出来事は、父の「伝え不足」が原因の一端を担っているのではないかと推測しました。
もちろん、実際の原因はわかりません。
しかし、適切な情報を適切なタイミングで伝えることの重要性を、改めて痛感したのです。
初めての長期入院:父の精神状態と家族の役割
父にとって、今回の入院は初めての長期入院でした。
過去に大腸がんの手術で1~2週間入院したことはありましたが、いつ終わるかわからない入院生活は初めての経験です。
入院から1~3日目は、私も毎日お見舞いに行きましたが、父の精神状態が徐々に不安定になっているのがわかりました。
普段は社交的で話好きな父が、どこか元気を失っているように見えたのです。
さらに、母も肺腺がんの末期と診断されており、余命半年と言われています。
この状況で、父の入院だけでなく、家族全体の将来についても考える必要がありました。
私は、父と母の今後を見据え、墓じまいのような終活の準備も始めました。
終活は、家族の負担を軽減し、将来に備えるための重要な段階だと感じています。
» 参考:母の末期がん「肺腺癌ステージ4B」【絶望からメンタルケアで心が回復した方法】
この状況を見て、私は何か行動しなければならないと感じました。
父の精神的な支えになること、そして父に「頑張ろう」と思ってもらえるような行動を取ることが、私にできることだと考えました。
そこで、私は2つの具体的な行動を起こしました。
自営業の店舗整理「環境を整える」
まず取り組んだのは、父が長年経営してきた喫茶店の整理です。
父のお店は、長年の営業で物が溜まり、雑然としていました。
通路が狭かったり、電話や必要なものが手の届きにくい場所にあったりと、ストレスを感じる環境だったのです。
大量の不用品が出たため、不用品回収のようなサービスを活用し、スムーズに処分を進めました。
私はこの機会に、店の掃除や不用品の整理を徹底的に行いました。
具体的には、以下のような作業を行いました。
- 不用品の処分:古い書類や使っていない備品を整理し、スペースを確保。
- 通路の確保:狭かった通路を広くし、動きやすく快適な環境に。
- 使いやすさの改善:電話や頻繁に使うアイテムを手に取りやすい場所に配置。
これらの作業を通じて、店内は見違えるほどスッキリしました。
私はこの変化を写真に撮り、父に見せることにしました。
「こんなにキレイになったよ」と伝えることで、父に「またここで仕事がしたい」と思ってもらえるような活力を持ってもらいたいと考えたのです。
毎日のお見舞い「行動で示す支え」
次に、毎日のお見舞いを欠かさず行いました。
父が精神的に弱っていると感じたからこそ、私が「行動」することで、父に「息子が頑張っているんだから、俺も頑張ろう」と思ってもらいたいと考えました。
病院に足を運び、父と話す時間を大切にしました。時には他愛もない話をし、時には店の整理の進捗を報告しました。
特に、店内の写真を見せたときの父の反応は印象的でした。
「こんなにキレイになったのか」と驚きつつ、どこか嬉しそうな表情を見せていました。
この瞬間、父の中に少しずつ前向きな気持ちが芽生えているのを感じました。
私が行動を起こし、それを父に見せることで、父の心に小さな火を灯せたのではないかと思います。
自己成長:気づきと行動の連鎖
この一連の出来事を通じて、私は多くの気づきを得ました。
それは、単に父の入院という出来事に対処するだけでなく、自分自身の成長に繋がる気づきでした。
コミュニケーションの重要性
まず、適切なコミュニケーションの大切さを改めて実感しました。
父が過去の事故のことを医師に伝えていなかったことで、治療の選択肢が狭まった可能性があります。
これは、日常生活や仕事でも同じです。
必要な情報を適切に伝えることで、誤解やミスを防ぎ、より良い結果に繋がるのです。
私は普段から結論から話すことや、要点を整理して伝えることを意識していますが、今回の出来事でその重要性がさらに明確になりました。
特に、医療や重要な場面では、正確な情報を簡潔に伝えることが命に関わることもあると痛感しました。
※余談:私は普段から「メンタルケア」のようなプログラムを通じて、言語化やコミュニケーションのスキルをさらに磨くことができました。
行動することの力
父の入院という危機的状況で、私はただ立ち尽くすのではなく、具体的な行動を起こしました。
店の整理や毎日のお見舞いは、父のためだけでなく、私自身の心の整理にも繋がりました。
行動することで、状況を少しでも良くできるという実感が得られたのです。
特に、店の整理を通じて、環境を整えることの重要性を学びました。
物理的な環境が整うことで、心の余裕が生まれ、前向きな気持ちが育まれます。
これは、仕事やプライベートでも応用できる気づきでした。
人の支えになることの意義
父が精神的に弱っているとき、私が行動することで父に希望を与えられたと感じました。
人は誰かのために行動することで、自分自身も救われる瞬間があります。
父のために動いたことが、私自身の成長に繋がり、さらには父の心に火を灯すきっかけになったのです。
また、母の余命宣告を受け、終活を進めることで、家族全体の未来を見据える大切さを学びました。
読者へのメッセージ:行動と気づきで乗り越える
この経験を通じて、危機的な状況でも「行動」することで状況は変えられることを学びました。
父の入院は突然の出来事でしたが、そこで立ち止まるのではなく、できることを一つずつ実行したことで、父の心に希望を与え、自分自身も成長できました。
もしあなたが今、困難な状況に直面しているなら、まずは小さな行動を起こしてみてください。
それは、部屋の片付けかもしれないし、誰かに声をかけることかもしれない。行動することで、見える景色が変わり、新しい気づきが生まれます。
また、コミュニケーションの大切さも忘れないでください。
自分の状況や過去の経験を適切に伝えることで、誤解を防ぎ、良い方向に進む可能性が広がります。
父のケースのように、伝えなかったことが後悔に繋がることもあります。
そして、家族の将来を見据えるなら、終活の準備も視野に入れると良いかもしれません。

父と母の状況を通じて、準備の大切さを痛感しました。
必要なことは、勇気を持って伝えることです。
まとめ:自己成長への一歩
父の緊急入院は、私にとって大きな試練でした。
しかし、その中で行動し、気づきを得たことで、自己成長に繋がりました。
店の整理や毎日のお見舞いといった行動は、父のためだけでなく、私自身の心を強くしました。
そして、コミュニケーションの重要性を再認識し、適切に情報を伝えることの大切さを学びました。
この記事が、誰かの困難な状況を乗り越えるヒントになれば嬉しいです。
どんな状況でも、行動と気づきがあなたを一歩前進させてくれます。
父の回復を願いながら、私もこれからも小さな一歩を踏み続けます。